南米ウユニ塩湖

高地の悲劇…ラパスにて高山病に苦しむの巻

南米旅行で経験した高山病。その傾向と対策。話は東南アジアの嗜好品にまで広がって…。
長文ですので、どうぞゆっくりとご覧ください。

◆高山病とは(wikipediaより引用)◆
高山病(こうざんびょう、altitude sickness)とは、低酸素状態に置かれたときに発生する症候群。「高度障害」と呼ぶ場合も多い。 高山では空気が地上と比べて薄いため、概ね2400m以上の高山に登り酸欠状態に陥った場合に、さまざまな症状が現れる。 主な症状は、頭痛、吐気、眠気(めまい)である。他に、手足のむくみ、睡眠障害、運動失調などが現れることもある。低酸素状態において数時間で発症し、一般には1日後 – 数日後には自然消失する

高地の……悲劇!!

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意志を持ったかのようにニュルニュルと噴射し続ける、ワタクシの大切な化粧下地…。ボリビアはラパスで起こった、一大悲劇の様子です。

ええ、こうなることは蓋を開ける前から分かっていましたとも。見るからに気圧の変化によってパンパンに膨張していましたからね。でも空気調整弁がついているわけでもないし、使用するためには蓋を開けるしかなかったのです。たとえその後の惨事が予見できたとしても…。

富士山級の街・ラパス

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この惨事の原因はひとつは、ラパスの標高の高さです。

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すり鉢状の地形で有名なラパスは、お椀の淵にあたる高所で標高4,000m以上、お椀の底の市街地中心部でも標高3,600mもある高地の町。富士山頂(標高3,776m)とほぼ同じですから、相当な高所と言えますよね?

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そしてもうひとつ。こんな高所・ラパスに、私はペルーのリマから飛んできちゃったのです。同じ南米、同じアンデスの国といえども、海に面した街・リマの標高は0~50m。そこから飛行機で一気に高度を上げてしまったので…、哀れな化粧下地が悲鳴をあげたというわけなのです。。。

世界一高所の空港に立った人間の末路とは?

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物品でさえこの有様なのですから、どうして私の身体が無事でいられようか(いや、いられない)。ハイ、ばっちり変調をきたしてしまいました。つまりは高山病にかかってしまったのです。

ラパスの空港に降り立った途端、襲いかかる吐き気&倦怠感…。入国審査を済ませてトイレに駆け込んで鏡を見てみたら、そこにはどす黒いクマ、くっきりと浮かび上がる法令線、そして唇を真紫に染めた魔女の様な人物が映っていました(写真は自粛)。どこをどう見ても尋常ではありません。

見た目が酷いのに加えて、口からは勝手に唸り声が漏れ出します…。頭が痛くて、吐き気が絶えずして、食欲は全くわかず、腹部には膨張感。教科書どおりの典型的な高山病なので、ある意味心配なし?街歩きなどとてもできず、「う~ん、う~ん」という唸り声とともに、ラパスの夜が更けていきました。

ラパス入りの前夜に、リマで高山病予防薬のダイアモックスを服用したんですけどね。無謀な高度上げルートに、薬の効果もなかったようです。

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旅の持ち物【南米編】南米の必須アイテム

コカインで高山病対策!?

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高山病の対処方法は実は簡単。空気が薄いために症状が現れるのだから、空気が濃いところ=今より標高が低い場所へ移動すればよいのです。話によれば、嘘のように症状がおさまるのだとか…。

理屈ではそうだろうけれど、旅ではそうも言ってはいられません。私の場合、ラパスに到着したのが夕方。そして翌朝6時半のフライトで、ウユニに向けて出発しなければなりませんでした。

ラパスに比べればウユニは若干標高が低いものの、やはり高地にかわりなし。ダイアモックスも効かない身体を持て余し、私がとった最後の対策は…

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そう、ヤクです、ドラッグです、コカ茶です!神経を麻痺させて、高山病の辛さを乗り切ろうという作戦です。

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南米ではハーブティーとしてポピュラーなこちらのコカ茶。名前から推測できるように、あのコカインの原料であるコカの葉を煮出したものなんです。

これを飲んでも、高山病の諸症状が直接改善される訳ではないけれど、コカの葉の興奮・覚醒作用によって、その辛さが和らぐのだとか。コカの葉を直接ガムのように噛んでも効果があるそうです。

念のため説明しておきますが、コカインはともかく、コカの葉やコカ茶自体を嗜むことは違法ではありませんよ。チョコレート、コーヒー、煙草、アルコールなどと同じ、ちょっと中毒性のある嗜好品といったところですね。

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肝心の効果とお味はというと…。
正直「???」と言ったところでしょうか。特にバファリン・アスピリン的鎮痛効果を感じることもなく、味もビミョー(-_-;) でも水分を摂取することは高山病対策としても正しいし、美味しいとはいえなくとも健康に良い感じはするので、暇さえあればコカ茶をガブ飲みしていました。ちなみに砂糖を入れて飲むのが正しい(?)嗜み方です。

そしてドタバタの高山病騒動も、高所入りして3日目の朝には地味に完全解決。目を覚ましたら、あの地を這うようなジトーーっとした苦しみが、本当に冗談のように綺麗さっぱり霧散していました。人間の適応能力って……凄い!!

でもあれだけ事前予防だ、薬だ、コカ茶だとワタワタ対策したのに、結局時が解決するのを待つしかなかったのかと思うと…。何か納得いかな~~い!!

まとめとおまけ

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・高山病対策にはダイアモックス。日本で入手可能。万能ではない。
・リマ(標高0m)からラパス(標高4000m)への飛行ルートは危険。降りた途端に高山病になる。
・高山病にかかったら水分を摂取し安静にしていること(横になるよりは、椅子に腰かけた状態の方が良いという話)。
・辛さの緩和にはコカ茶(mate de coca)が有効?カフェでも市場でもどこでも飲むこと可能。
・高山病から抜け出すには、ひたすら待つしかない。そのうち治る。

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そして私はあまり興奮作用を感じなかったコカの葉ですが、実は東南アジアにも同じように、口に含み咀嚼することで興奮を楽しむ嗜好品が存在します。

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それがこちらのキンマという嗜好品。

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キンマの葉、ビンロウジュ(檳椰樹)、石灰の3点セットをまとめて口に含んでクッチャクチャ。しばらく興奮を楽しんだ(?)後で、ベッと吐き出す。この一連の動作は、ベテル・チューイングと呼ばれ、東南アジアや南アジアではお馴染みの習慣であります。

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(キンマの葉 @vietnam)

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(ビンロウジュ・生)

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(ビンロウジュ・乾燥)

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(石灰)

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(石灰)

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(3点セット)

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カンボジアでは主に中年以降のおばちゃん・おばあちゃんが、このベテル・チューイングを楽しんでいました。宗教は問わず、仏教徒でもムスリムでも。

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お寺や軒先で輪になって何をやっているのかな~と思うと、大抵みんなでクッチャクチャ(笑)。キンマを噛む(=ベテル・チューイングをする)と、唾液が真っ赤に染まるので、ニカッと笑われると、ちょっと怖いです。

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私はコカ茶だけでなく、キンマについても試したことがあるのですが…。咀嚼回数が足りなかったのか、やはりあまり興奮を感じることはできませんでした(しかも不味いし)。話の輪に入っていって笑いをとるにはいいアイテムですが、本気でハマるにはまだまだ修行が足りないようです。私にとっての嗜好品は、コーヒーで充分ですわ。

以上、高山病および南米&東南アジアの嗜好品のお話でした。遠く離れたふたつの大陸で、原料は違えど同じような習慣が好まれているというのも、面白いですよね。結局人間の目指すベクトルというのは、同じような方向性なのでしょうか?

いずれにせよ、高地ではくれぐれも高山病ご用心!そしてかかってしまったら時が過ぎるのを諦めてお待ちくださいね。私の苦い経験が、あなたの参考になれば幸いです。

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さあ行こう!
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この記事を書いた人

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ウスキ サヤカ

Yoga teacher RYT500 in Tokyo, Minimalist, Cambodia lover, Bali traveler & Nepal Beginner…

元図書館司書・京大博物館研究員。現在はヨガ講師を生業としながら、ブロガー・写真家として活動中。

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