2018年のことになりますが、
旧姓のサインでパスポートを更新しました。
✔️選択制夫婦別姓が実現せず
✔️旧姓併記できるような海外実績はない
という中での苦肉の索…。
公的証明から旧姓がすべて消えてしまうのは忍びない(アイデンティティークライシス…!!)、どこかにウスキの名を刻んでおきたい! でも更新が迫っているんだけどーーーという、わたしの魂の救済策でもあります。
冗談じゃなくて…そのくらい切実な問題なのです…。
ささやかな実例になりますが、旧姓を保持したい人の何かしらの手助けになれば幸いです。
旧姓サインってどういうこと?
旧姓サインとは、本人直筆署名で旧姓を保持していこうという作戦のことです。まずは新旧のパスポート・本人確認欄をご覧ください。
写真の紫色の部分、姓(Surname)の表記は新旧で異なりますが、署名のサインは同じです。
つまり「新しいパスポートの名前は戸籍名に変更になったけど、署名は同じ!旧姓のままだよ!」と状態。これを通すことができました。
そもそも、署名(サイン)って何でもいいんですけどね。漢字でも、ローマ字でも、筆記体でも、わたしのようにカタカナ表記でも。
外国人の署名なんて、そりゃーもう達筆すぎて全然読めない。これ文字なの!?って感じですよね。
サインは単なる記号です。何でもOKなサインなんだから、旧姓という文字記号を使っていこう。こういうスタンスで、無事旧姓サインのパスポートをゲットしたというわけなのです。
法的な効力はあるの?メリットは?
旧姓サインは完全に自己満足のためのものです。
当たり前ですが、入国書類やビザなどは戸籍名(新姓)で記入しなければなりません。
でも最後の署名だけは、書き慣れた旧姓でサインをすることができます。それによって、わたしはやっぱり「ウスキサヤカ」であると確認もできます。
効力はただそれだけ😂
でもこのプロセスが大事なんですよね〜
こんなささやかなことに幸せを噛み締める、これがで夫婦別姓を待ち望んでいる人間の現状なのです。
パスポートセンターの反応は?
更新手続きの時も、特にトラブルはありませんでした。
申請書類を書き間違えたと思ったのか、受付の方がわざわざ「サインが間違ってますけど…(古いままですけど…)」と声をかけてくれたので、以下の3点について説明をしました。
①仕事で旧姓を使っていること
②現行クレジットカードの署名も同じ「ウスキサヤカ」であること
③以上の理由から、サインは何でもいいはずなので、旧旅券と同じものを使い続けたいこと
そうしたら当たり前ですが、すんなり受理してくれました。パスポート発行までの期間にも、特に問い合わせなどありませんでした。ご参考になさってください。
旧姓併記をめぐる最近の状況
公的証明の旧姓併記には、最近追い風が吹いています。
まず大きかったのが、2017年に発表された
「女性活躍加速のための重点方針2017」
(内閣府男女共同参画局)
このうちの「女性活躍の視点に立った制度等の整備」のなかで、旧姓の通称としての利用拡大が謳われました。
具体的には、①マイナンバーカード等への旧姓併記の推進、②旅券への旧姓併記の拡大に向けた検討、③銀行口座等の旧姓使用、の3点。2018年以降速やかに、または2019年度末を目途に、実現・検討していくという内容です。
この報道をニュースで知ったときにはね、色めき立ちましたよ、本当に!!!
わたしが2018年更新のパスポートを、紺色の5年ものにしたのもこれが理由です。併記が可能になったら速攻更新しよう!と誓っています。
参考(PDF)>>>旅券への旧姓併記の拡大に向けた検討(外務省説明資料)「女性活躍加速のための重点方針2017」
公的書類の旧姓併記について、その後しばらく続報がなかったのですが…
今年(2019年)の4月に総務省が、住民票やマイナンバーカードに旧姓を併記できるようにするため住民基本台帳法施行令を改正。
これによって2019年11月5日以降は、希望者は住民票などに旧姓を記載できるようになりました!
総務省の動きをうけて、警察庁も運転免許証に旧姓併記するように動きだしているそうです(2019-06-13報道資料)
パスポートについては、最近の河野外相の働きが絶賛されていましたね。
対応を指示しました。 https://t.co/fbsWDtvNX9
— 河野太郎 (@konotarogomame) 2019年6月4日
ブログ更新:旧姓併記 https://t.co/7Xr8q8pg7O
— 河野太郎 (@konotarogomame) 2019年6月21日
旅券(パスポート)の別名併記制度について https://t.co/5ZwOhQJPCA
— 河野太郎 (@konotarogomame) 2019年6月21日
誤解をしている人も多いのですが、この一連の働きは「旅券の旧姓併記制度を変えた」のではなく、「外務省が主に国外に向けて、旧姓併記の旅券制度を公式に説明した」というものです(旧姓併記の制度自体はもともと存在しています)
制度の告知が不十分なので、海外で理解されず説明に苦慮している、というのがツイ主さんの悩みでした。大臣・事務方の素早い対応には頭が下がります。
しかも今回、河野外相がこう約束もしてくれました。
また、今後、戸籍などで旧姓が確認できれば、外国における旧姓での活動や実績が確認できる書類等の提出を必要としないように制度を改めます。
出典>>>衆議院議員 河野太郎公式サイト・ごまめの歯ぎしり「旧姓併記」
「女性活躍加速のための重点方針」の内容のことですね!現行の旧姓併記制度は実は単なる一般人では利用が難しく、海外での活動実績を証明するのがネックだったのですが…これで希望者に道がひらけることになりそうです。早期実現を期待しています。
ということで。
今回は旧姓を捨てきれない
全然ミニマムではないお話でした。
(こればかりは断捨離できないよね〜)