パイリンで見逃した宝石の採掘作業を、ラタナキリ州バンルンで押さえることになったと以前記した(パイリン・宝石をめぐる冒険)。
パイリンはタイと国境を接する街、すなわちカンボジアの北西部。そしてラタナキリはベトナムと国境を接する州、すなわちカンボジアの北東部。カンボジアの左端から右端へとやってきたわけである。
待ち望んだ現場では、まずアリ地獄の巣のような地面とご対面。これはすでに採掘の終わった現場。
そしてテントが張られ、糸巻き式の滑車が設置されているところが、現在進行中の現場である。
仕組みは至って簡単なのだが……なんと気の遠くなるような作業であろうか。
しかしそこはカンボジア。悲壮感などまるでなく、にぎやかに、ゆるやかに、作業がすすんでいるようであった。
もちろん土が勝手にバケツの中に入ってくれるワケではない。縦穴の中には穴掘り要員が待機している。これは比較的浅い2・3m程度の現場。深い縦穴になると、もはや遠すぎて暗すぎて肉眼では中にいる人間を確認できないほどである。そしてこの細すぎる縦穴の中を、どのように昇降するかというと……
……なんと、側面の穴に両肘両足を突っ込み、クライミングの要領(?)で昇っていくというものだった。完全なる筋肉頼りの自力昇降。さすがカンボジア人!&ベトナム人!(←国境が近いこともあって出稼ぎに来ているのである)
しかも、ほとんど身動きが取れないような細穴だというのに、昇ってくるスピードがとてつもなく速い。あの~、暗いうえにそんなに速く昇られてしまうと、ピントが全然合わないんですけど…。
なんかもう、いろいろ納得の肉体美。カンボジアにいると、人間の能力の底力みたいなものを、まざまざと見せつけられる場面が多いような気がする。
私も数時間いただけで手足が赤茶色に染まってしまったが、ここで働く人々はそれこそ服から肌に至るまで全身が土まみれ。もはや肌の色なのか土の色なのかの判別もつかない。本当に頭が下がる思いであった。
ところかわって、こちらはバンルン中心部の市場。パイリンでは原石の研磨作業を見学することができたが、ここでは宝石加工の現場を見ることができた。
これで宝石採掘(ラタナキリ)→研磨(パイリン)→加工(ラタナキリ)という一通り作業工程を目にしたことになる。
時間も距離もかかったけれど、目的達成の充実感が心地良い。素敵な笑顔もいただいて……みなさん、ありがとうございました!
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2013年6月、私はカンボジア全土をめぐる旅に出た。カテゴリ「カンボジア一周2013」は、その旅の写真記録である。※この記事は7番目の記事です!
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