日本の常識は世界の非常識?
それはカンボジア滞在時代、10年前の出来事でした。お正月にまつわる切ない誤解をお話します。
お正月が3度訪れる国・カンボジア
みなさん、カンボジアは年に3回お正月を迎えるってご存知でしたか?
・インターナショナル正月(1/1)
・中国正月(旧正月・2月上旬頃)
・クメール正月(4月上旬頃)
東南アジア圏では珍しくないことですが、カンボジアもまた華人が多いので中国正月を盛大にお祝いします。その様子は先日写真でお伝えしたとおりです。
ちなみにカンボジア人にとって一番メインのお正月は、第3の新年・クメール正月。タイ・ラオス・ミャンマーと同じ、上座仏教にのっとったお正月です。
なお1月1日の第1のお正月(インターナショナル・ニューイヤー)はいちおう祝日にはなっていますが、日本のような年末年始感はなく、せいぜいカウントダウンで盛り上がる程度。ハレの日という雰囲気は全くありません。
日本的「年末年始」は、世界的に見ると稀有なのか?
しかし日本的常識を取っ払って冷静に考えてみると、そもそもこの「年末年始感」が、我が国特有のものですよね?
欧米のキリスト教圏は、年末のホリデーシーズンこそあれども、1月2日からは通常営業だし。日本以外の東アジア&ベトナムは、旧正月(中国正月)だし。イスラム圏はラマダン明けのお祭りが正月みたいなものだし。ヒンドゥー暦を採用している国も沢山あるし。
1月1日から3日の三が日を大切にしているのが、実は日本くらいだなんて、何だか不思議な気がします。
中国系大家さんの大いなる誤解
だからこその誤解なのでしょうが。私が借家をしていた中国系カンボジア人の大家さんに、「中国と日本ではお正月が異なる!」ということが何度説明しても伝わらずに困りました。
いや、別に困ってはいないのですが。むしろ写真のお正月のご馳走をお裾分けしてもらえちゃってラッキーだったのですが。どうやらコレ、私が「お正月だというのにカンボジアでひとりぼっちで過ごす可哀想な日本人」だから、恵んでくれたみたいなんですよね…。
「日本のお正月はインターナショナル・ニューイヤーと同じだ!」「だから家族が日本から遊びにきたじゃないか!一緒にお正月を祝ったじゃないか!」と主張してはみたのですが。私の力説は大いなる中華圏の壁にもろくも崩れ去りました…。
ちょっと切ないカンボジア中国正月の思い出。でも、中国正月が一番華やかで賑やかで楽しかったかな?カンボジア人はクメール正月が一番楽しいというけれど、4月の酷暑真っただ中のお正月は…、日本人にはキツすぎますわ。。。