TTC300の課題として執筆したエッセイのひとつを、皆さまにシェアします。
エッセイのTopicは「健康的な食事とは何か?栄養を摂るとはどのようなことか?」です。
あなたはこの問いに、どのように答えますか?
健康的な食事とは何か?
健康的な食事の鍵はカンボジアにあり!
これが私の主張である。10年前に長期滞在した時は気づかなかったが、カンボジアは魂が喜ぶ健康的な食にあふれている。
例えばサットヴァな食事。都会はともかく、地方の一般的な家庭には冷蔵庫がないため「保存する」という概念がない。
肉は屠殺したて、魚は採りたて、野菜は自分の家の庭から調達したてが基本である。
もちろん食事も作りたてで、それを家族全員でいただく。これ以上にサットヴァな食卓があるだろうか。
日本の重宝は、カンボジアのあたり前
また、日本でブームとなったものも、カンボジアでは当たり前のものとして日常的に取り入れられている。
例えばココナッツウォーター。私はこれがモデルを中心にブームとなった時、椅子から転げ落ちそうになるほど驚いた。
カンボジア人がそこら辺の椰子の木に登って、気軽に飲んでいるあのトゥック・オンパウ。たしかに在住日本人の間でも「天然のポカリ、体調が悪い時にはこれを飲め」と言われていたが、「おしゃれな飲み物」「ありがたがって大事に飲むもの」では決してなかったはずである。
また白湯も然りである。TTC200時間ではじめてアーユルヴェーダの勉強をして自宅で白湯をつくって飲んだ時、「どこかで飲んだ味だな…懐かしい」と思ったのだが、何のことはない。カンボジア在住時に、毎晩料理用の水としてヤカンで作っていた湯冷ましそのものだった。
こんなものはカンボジアの家庭では当たり前のように用意しているものである。とりたてて「健康のため」に「意識して」摂取するものではない。
カンボジアではヨガの知恵が、あたり前のものとして活用されているのである。
カンボジアに学ぶ「ヨガ」的生活
今回は飲料の例を多く挙げたが、食物についても列挙に暇がない。
そもそもカンボジアでは、意識的にヨガ(アーサナ)をする必要すらない。
大地に根ざした人々の生活、日常的な宗教実践、命(食べ物)の摂取と排泄とがダイレクトに繋がっている生活形態。
カンボジアは過剰なものがそぎ落とされたシンプルな世界観そのものであり、そこで生きること自体が「ヨガ」的生活となるのである。
健康的な食事とは何か。それは魂が喜ぶ食事である。栄養を摂るとはどのようなことか。それは魂が満たされることである。
カンボジアの空気には、その生きる喜びが満ちている。原始的で力強い、生命力に溢れた「何か」が満ちている。
食事や呼吸を通してその「何か」を体内に摂り入れること、空間を通してその「何か」に触れ続けること、これが健康的な生き方であり栄養摂取の仕方であると私は考える。
心の栄養が足りなくなったら、ぜひ一度カンボジアに足を運んでいただきたい。
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